FXのスワップポイントには、更に凄い点があります。
「FXは少ない資金で大きな取引ができる」で説明した「レバレッジ」が有効になるのです。
例えば、2008年8月時点でドル・円通貨ペアのドル買いを行うと、
金利を年利換算すると約2%のスワップポイントを受け取ることができます。
この取引をレバレッジ5倍で行うと、2% x 5倍 = 10% のスワップポイントを受け取ることができます。
もちろん、上の例で円買いの取引をしてしまうと、スワップポイントを支払わなければならなくなり、
FXのスワップポイントとレバレッジのメリットがデメリットになってしまいます。
あなたは通貨の金利を気にしたことがありますか?
「金利」というとピンとこないかもしれませんね。
では、「銀行の預金利息」だとどうでしょうか?分かりますよね。
日本円は、実質ゼロ金利が続いていますので、銀行預金したところで、
付く預金利息は本当に微々たるものです。
では、外貨の金利はどうなのでしょうか?
実は、海外には金利の高い国がたくさんあるのです。
ここでなぜ金利の話をしたのかというと、
FXにおいても、この金利を「スワップポイント」という形で得ることができるからです。
※
「FXの取引にかかるコスト
」で書いた「スワップ」のことです。
スワップポイントは、受け取る場合と支払う場合があります。
まず、受け取る場合ですが、これは「買った通貨の金利」が「売った通貨の金利」よりも高い場合に
その金利差を受け取ることができます。
また、逆に「売った通貨の金利」が「買った通貨の金利」よりも高い場合、
その金利差を支払うことになります。
つまり、現状であれば金利の高い外貨を買い、金利の低い円を売れば、
外貨の高金利を得ることができるのです。
また、FXのスワップポイントは、銀行預金のように満期を待たずとも、
毎日の日割りで受け取ることができます。
FXでは、取引をしているだけで利息が得られます。
これって凄いメリットだとあなたは感じませんか?
FXと外貨建て金融商品の違いでも少し触れましたが、
外貨建て商品である外貨預金や外貨MMFは、
1.外貨を買う
2.1.で買った外貨を売る
以外の取引ができません。
つまり、買った時よりも外貨高(円安)が進まない限り、為替差益が得られないのです。
一方FXは、一定額の証拠金をベースにして外貨を売買する商品なので、
外貨の買いから始めることも、外貨の売りから始めることもできます。
つまり、為替レートが円安・円高に関わらず、利益を上げることができるのです。
「外貨を売る」ということが少し分かりにくいかと思いますが、
FXでは、通貨ペアのどちらに対しても平等に売買できるものだと考えて下さい。
具体的には、ドル・円の通過ペアにおいて「1万ドルを売る」ということは、
「1万ドル相当の円を買う」と考えたら分かり易いでしょう。
さて、FXのもう1つの魅力に、少ない資金で大きな利益を上げることができる点があります。
といわれても、よく分かりませんよね?
例えば、手数料を考えないとして、
1ドル=110円の時に1万ドルの外貨預金をする場合、110万円が必要になります。
(当たり前ですが)
一方、FXの場合は、証拠金と呼ばれる保証金が10万円ほど口座にあれば、
1万ドルを買うことができるのです。
(取引金額に対する証拠金の必要額は、FX業者によって異なります。)
FXは、小額の証拠金をベースに外貨を売買できる仕組みなのです。
上の例の場合、10万円の証拠金で110万円の取引が出来るわけですから、
110÷10=11、つまり11倍の「レバレッジ」を利かせた取引といいます。
「レバレッジ」とは、英語で「てこの原理」のことです。
「てこの原理」のように、小さな力(少額の資金)で大きなもの(大きな金額)を動かすことから、
このように言われています。
少ない資金で大きな取引をして大きな利益を得る。
まさに夢のような話ですが、FXではそれが可能なのです。
しかし、美味しい話には必ず裏があるように、この「レバレッジ」にもデメリットがあります。
このデメリットについて、次に説明します。
FXは外貨預金や外貨MMFと比べてコストが安いと書きました。
ここでは更に、具体的に説明します。
為替手数料は、
「FXと外貨建て金融商品の違い」で説明したように、片道数百円~千円程度です。
(現在は、為替手数料無料のFX業者も多数あります。)
他にも、「スプレッド」と呼ばれるものがあります。
これは、実際にFXで取引する際の為替レート表示を見れば分かりますが、
「1ドル=105.00-105.04」というように、価格が2つ表示されています。
これは、あなたが買う値段は105.04円で、売る値段が105.00円という意味です。
FX業者が買いたい人に高く売りつけたり、売りたい人から安く買ったりできないように、
買いと売りの値段を同時に表示することで、取引の公正性を確保しています。
ここで、価格に注目して欲しいのですが、差が4銭ありますよね。
この買いと売りの価格の差を「スプレッド」といいます。
これは、買ってすぐ売っても、この4銭分損をすることになりますので、
実質、取引するあなたが負担することになるコストと考えたほうがいいですね。
それでも、FXの為替手数料とスプレッドを合わせても、
外貨預金の為替手数料に比べればはるかに安いので、
「FXは低コスト」という認識に変わりはありません。
※取引によってはスワップを支払わなければならないこともありますので、
スワップもコストとなる場合があります。
スワップについては、後ほど改めて説明します。
「FXのスワップポイントは金利差」を参照下さい。
FXも他の外貨建て金融商品と同じように、
一定額の資金(証拠金)をもとに外貨を売買するというものですが、
「コスト」、「収益性」、「換金性」、「取引自由度」、「信用リスク」の5つの観点から
他の外貨建て金融商品と比較してみます。
<<コスト>>
ここでいうコストは、通貨の交換に必要な為替手数料のことです。
外貨預金: 10,000通貨あたり10,000円
外貨MMF: 10,000通貨あたり5,000円
FX : 10,000通貨あたり1,000円以下(無料もあり)
圧倒的にFXが低コストです。
<<収益性>>
FXも外貨の金利と為替差益を得ようとしますので、外貨預金と同等です。
しかし、大きく異なるのは、FXの場合、
投下した資金額よりも大きな金額の外貨売買ができます。
リスクは多少大きくなりますが、その分得られる収益も大きくなります。
<<換金性>>
他の外貨建て金融商品では、銀行や証券会社などの営業時間内のみ売買できます。
しかし、FXの場合は24時間売買が可能ですし、資金の引き出しも翌日~翌々日にはできます。
FXの方が非常に融通が利きます。
<<取引自由度>>
外貨預金や外貨MMFは、基本的に外貨を「買う」ことしかできません。
ですから、今の相場が円高(外貨安)の時は手が出せません。取引機会を失います。
しかし、FXの場合は「買う」ことはもちろん「売る」こともできます。
(株や債権ではなく、通貨に対する売買だから可能なことです。)
ですので、今の相場が円高(外貨安)の場合は、「売り」から入って
相場が円安(外貨高)になった時に「買う」ことで為替差益を得ることが出来ます。
そして新たに「買い」から入って、相場が円高(外貨安)になったら「売り」ます。
このように、FXは取引する機会が倍になるわけです。
<<信用リスク>>
外貨預金: 取り扱い銀行の信用度
外貨MMF: 組み入れられる公社債の格付け
FX : 資金を預けるFX業者の信用度
信用度が高いFX業者に口座開設することが大切ですね。
それだけで信用リスクは回避できます。